坂元裕二の筆致は、何気ない会話の裏に潜む人間の業や孤独、そしてささやかな救いを浮き彫りにする。本作『今日も今日とて』においても、スーパーの帰り道での何気ない立ち話や、深夜の台所で交わされる短いやりとりに、胸を突くような真実味が宿る。
「満島さんとなら、セリフのない沈黙の時間すら物語にできる」。坂元自身が周囲にそう漏らした通り、劇中では言葉以上に「視線の揺らぎ」や「間合い」が雄弁に語りかける。二人のタッグはこれまでにも名作を生み出してきたが、本作における成熟度は過去のコラボレーションを遥かに凌駕する気配を見せている。