マクロン氏の政策思想の中核にあるのは、徹底した構造改革による経済の活性化です。富裕税の実質的な廃止、労働市場の規制緩和、法人税の引き下げなどを矢継ぎ早に断行し、フランス国内への外国直接投資(FDI)を欧州トップクラスへと押し上げました。
その実績を背景に臨んだ2026年のフランス大統領選挙では、極右政党「国民連合」のマリーヌ・ル・ペン氏を決選投票で破り、20年ぶりとなる現職再選を果たしました。しかし、2017年の初回当選時(得票率約66%)と比較して、2026年の決選投票(得票率約58.5%)では極右との差が大幅に縮まり、国民の分断が浮き彫りとなりました。
親ビジネス・改革路線は失業率の改善という果実をもたらした反面、地方部や労働者層には「エリート優遇の格差拡大政策」と映り、黄色いベスト運動から続く根深い社会的分断の溝を埋めるには至っていません。