公金受取口座をめぐる議論では、行政側の説明不足とネットユーザーの推測が交錯し、本質から外れた誤解が数多く定着してしまっています。メディアが報じない盲点として知っておくべきは以下の事実です。
まず、「公金受取口座に登録できるのは本人名義の口座に限られる」という原則の厳格さです。乳幼児や認知症を患う高齢者の場合であっても、親や後見人の口座を代理で公金受取口座に登録することは法律上認められていません。過去のトラブルの多くは、役所窓口等で親が子どものマイナンバーカードに自分名義の口座を登録してしまった事例でした。現在は氏名のカナ読みデータ照合が行われているため、名義不一致の口座は登録エラーとして弾かれます。これにより、家族間での代理受給を想定していた家庭が給付金の手続きで立ち往生するケースが多発しています。
もう一つの盲点は、「公金受取口座に登録したからといって、すべての公的給付が自動的にその口座に振り込まれるわけではない」という点です。児童手当や自治体独自の給付事業の中には、申請書上で「公金受取口座を利用する」旨のチェックボックスにレ点を入れなければ、従来通りの口座確認書類提出を求められるケースが残っています。登録しただけで何もしなくても自動的にお金が振り込まれ続けるわけではないという実態を理解しておく必要があります。