飲食店の経営指標において、料理全体の原価率は30%前後に抑えるのがセオリーとされる。しかし、すべてのメニューを一律の原価率にする必要はない。優れた居酒屋の原価率を考慮したメニュー作成では、「集客用の低利益メニュー(お値打ち品)」と「利益確保用の高粗利メニュー」を巧みに組み合わせる。
たとえば、原価率50%の「刺身豪快盛り合わせ」を目玉として客を惹きつけ、原価率15〜20%の「ポテトフライ」「だし巻き玉子」「名物ハイボール」などを一緒に注文させることで、テーブル全体の原価率を適正値へ着地させる。
利益の土台を支えるもう一つの要素が、居酒屋のお通しの単価設定とクオリティだ。2026年現在の相場は400円〜600円前後。お通しを単なる席料と捉えず、一口サイズのこだわり前菜や温かいお吸い物などを提供することで、客の納得感を生み、乾杯後のファーストインプレッションを劇的に高められる。
さらに、売上の4割以上を占める居酒屋のドリンクメニューの構成も見逃せない。生ビールを筆頭に、店名物のオリジナルレモンサワー、クラフトハイボール、地酒の飲み比べセットなどを視線を集める位置に配置し、料理とのペアリング提案を添えることで、自然とグラスの杯数を伸ばす仕掛けを施すのが定石だ。