1980年代後半から1990年代初頭にかけて、新興宗教団体「オウム真理教」の代表だった麻原彰晃は、メディアへの露出を急速に増やしていた。選挙への出馬や書籍の発刊など、自己アピールに余念のなかったオウム側と、目新しい「奇抜なキャラクター」を求めていたメディア側の思惑が見事に合致してしまったのだ。
本来であれば、宗教団体が持つ裏の顔や潜む危険性を見極めるべきであったが、当時はオウム真理教を「空中浮遊を主張する面白い集団」として消費する傾向が強かった。過激な視聴率競争のなかで、製作者たちはスキャンダラスで怪しげな存在を次々と画面に放り込んだ。教団側にとっても、テレビ出演は信者獲得とイメージチェンジのための格好の宣伝媒体にほかならなかったのである。