芦屋市の中でも別格中の別格として知られるのが「六麓荘町(ろくろくそうちょう)」です。東洋一の邸宅街を目指して1928年に開発されたこのエリアは、日本の住宅街の常識を覆す数々の厳格な規制に守られています。
芦屋市が定める「建築協定」および「景観地区指定」により、六麓荘町で住宅を建てる際には「敷地面積400平方メートル(約121坪)以上」「建物の高さは2階建て以下(10メートル以下)」という極めて厳しい下限基準が課せられます。土地を細かく分筆して小規模な住宅を建てることは法律上許されません。
さらに、町内会独自の厳しい内規が存在し、新規住民が転入する際には町内会への加入負担金の納入が求められる慣例が維持されています。電線はすべて地下に埋設され、コンビニエンスストアや自動販売機はもちろん、集合住宅や商業ビルの建設も一切認められていません。徹底したプライバシー保護と静けさを買い求める財界トップや創業家一族にとって、この閉鎖性と厳格さこそが何物にも代えがたい価値となっています。