六麓荘の景観と治安を半世紀以上にわたって死守しているのが、六麓荘町町内会による強固な自主協定と、行政が定める芦屋市都市景観条例のダブルブロックだ。
新たに土地を取得して建物を建てる際には、町内会独自の審査を通過する必要があり、数十万円から数百万円規模の入会金が求められる慣例も存在する。さらに、建物の高さは原則10メートル以下(2階建てまで)、敷地の緑化率や外壁の色彩、門扉の意匠に至るまで厳格なガイドラインが課される。商業施設の出店はもちろん、看板ひとつ立てることすら許されない。この徹底した統制こそが、100年近くにわたり街の資産価値を維持してきた原動力だ。