早朝のキャンパスに、ノートを抱えて歩く彼女の姿があった。現在、慶應義塾大学で学問の探求に励む日々は、決して形式的なものではない。講義で得た人文科学や社会学の知見は、そのまま台本の行間を読み解く豊かな視座へと直結しているという。現場スタッフが口を揃えるのは、彼女の圧倒的な準備量だ。膨大なレポート執筆や文献講読と並行しながら、完璧に頭に入れられた台詞と、役柄の生い立ちまで分析したメモがびっしりと書き込まれた台本を持ち込む。
「勉強も演技も、何かを知りたいという探求心においては全く同じなんです」。撮影の合間、柔らかな笑みを浮かべながらそう語る表情には、一切の驕りがない。過密なスケジュールのなかで時間を捻出する集中力は驚異的であり、移動時間やメイクの最中であっても本を手放さない。学業と女優業という二つの大きな軸を完璧に成り立たせる背景には、弛まぬ努力と知的探求の姿勢が存在している。