ペペロンチーノなどのオイルベースと異なり、粘度の高い液体を使用するソースでは水分蒸発の挙動が大きく変化します。
例えばトマト缶(ホール・カット)を使用する場合、缶詰内容量の約80%は水分ですが、ペクチンや果肉の固形分が熱対流を阻害します。そのため、トマト缶200g(半缶)に対して水200mlを追加し、トータルの液体量を400ml程度に合わせるのがベストです。トマトの酸味を飛ばすために最初は中火で煮立て、パスタ投入後は鍋底が焦げ付かないよう、耐熱シリコンヘラで30秒おきに底をかき混ぜる必要があります。
また、カルボナーラやクリームパスタで牛乳を使う場合は、決して「牛乳のみ」で茹でてはいけません。乳タンパク質が凝固して膜を作り、麺への熱伝導を著しく低下させるためです。「水150ml+牛乳200ml」の混合液で茹で上げ、卵黄や粉チーズは火を完全に止めてから余熱で絡めることが、分離やダマを防ぐ絶対条件となります。