「半沢直樹とリーガルハイ、どっちが面白いのか?」という問いに対して明確な優劣がつけられない理由は、両作を支える物語の設計思想が極めてハイレベルだからです。
『半沢直樹』は、池井戸潤の原作小説(『オレたちバブル入行組』など)をベースに、勧善懲悪と骨太な人間ドラマをエンターテインメントへと昇華させた作品です。「やられたらやり返す、倍返しだ!」「施されたら施し返す、恩返しです」といった名言の数々は、働く人々の鬱屈を吹き飛ばす圧倒的なカタルシスを提供しました。
対する『リーガルハイ』は、希代の脚本家・古沢良太による完全オリジナル作品です。「正義は金で買える」「醜さを愛せ」といったテーゼを掲げ、世間の綺麗事や偽善を痛快に論破していくスタイルは、法廷ドラマの枠組みを根底から覆しました。単なるコメディにとどまらず、人間の本質や法治国家の矛盾に深く切り込む脚本のクオリティは、業界内外から極めて高い評価を得ています。