東北絆まつりがこれほどまでに人々を熱狂させる最大の要因は、「青森ねぶた祭」「秋田竿燈まつり」「盛岡さんさ踊り」「山形花笠まつり」「仙台七夕まつり」「福島わらじまつり」という、日本屈指の伝統と熱量を誇る東北6大祭りが同一の会場に集結するという前代未聞の凝縮感にあります。通常、これらの本祭りは毎年8月上旬のほぼ同一期間に開催されるため、現地へ足を運んで全祭りを生で体感するには膨大な移動距離と数年の歳月を要します。その奇跡の共演が、わずか2日間のパレードで実現するのです。
ここで多くの読者が抱く疑問が、前身である東北六魂祭との違いです。当時の特番インタビューや実行委員の手記によると、東北六魂祭は2011年の東日本大震災直後、未曾有の災禍で犠牲となった方々への「鎮魂」と、被災地全域の「早期復興」を祈念して立ち上げられた緊急的な追悼・結束のプロジェクトでした。当初から東北6県を一巡する全6回限りの限定イベントとして企画され、2016年の青森開催をもってその歴史的使命に一旦のピリオドを打ちました。
対して東北絆まつりは、六魂祭で培われた強固な結束の絆を風化させることなく、復興のその先にある「東北の未来の創造と持続的な観光・経済の振興」を目的に2017年から恒久的な枠組みとしてリスタートを切った祭りです。哀悼と祈りから出発した炎は、いまや東北全域の連帯感を確かめ合い、豊かな地域文化を次世代と世界へと力強くプレゼンテーションする歓喜の祝祭へと昇華しています。
パレードでは、巨大な武者絵が勇壮に練り歩く青森ねぶた、夜空にしなる無数の提灯が絶妙なバランスで宙を舞う秋田竿燈、数千人の太鼓の音が地響きのように響き渡る盛岡さんさ踊り、華やかな衣装と笠の波が揺れる山形花笠、巨大な大わらじを担ぎ上げる圧巻の熱気を見せる福島わらじ、そしてメインステージや沿道を絢爛豪華に彩る仙台七夕の吹き流しが交錯し、観る者の五感を激しく揺さぶります。