倶利伽羅不動尊が授ける神仏の恩頼は、一般的な厄除けの域を遥かに超えている。最も名高いのは、あらゆる悪因縁を断ち切る「諸悪退散」と、不可能を可能へと転じる「大願成就・勝運」だ。剣に巻き付く黒龍は、病魔や人間関係の摩擦、経済的な停滞を容赦なく食い尽くし、清浄な運気をもたらすとされる。また、峠を行き交う旅人を守り続けてきた歴史から、交通安全や道中息災の霊験も際立って高い。
2026年現在の参拝においては、峠の頂上に位置する「山頂本堂」と、山麓の広大な敷地に佇む「鳳凰殿」という二大拠点の巡礼が基本となる。北陸新幹線の延伸定着や周辺道路の整備に伴い、寺社仏閣・観光産業が一体となった地域振興が進む中、公共交通機関やEV充電設備を備えたアクセス環境は大幅に向上した。
現地を訪れるなら、早朝の静寂に包まれた山頂本堂からスタートするのが望ましい。澄み渡る空気の中で白山連峰の稜線を仰ぎ、太古からの地脈を感じ取る。続いて山麓の鳳凰殿へと足を伸ばせば、平安の雅を伝える建築美と四季折々の庭園景観が参拝者の心を和ませる。歴史の深みに触れながら自身のエネルギーを刷新するパワースポット・歴史探訪のルートとして、これ以上の舞台は北陸に存在しない。