浴場へ足を踏み入れると、立ち上る湯煙の向こうに広々とした湯船が連なる。看板メニューである高濃度炭酸泉に身を沈めると、わずか数十秒で全身がびっしりと細やかな気泡に覆われた。血管がじんわりと拡張し、指先からじわじわと温もりが駆け上がる。この感覚が病みつきになる。
炭酸ガスが溶け込んだ湯は肌触りが驚くほど柔らかく、長湯をしても体に負担がかかりにくい。露天エリアに広がる岩風呂や壺湯、季節の風が吹き抜ける外気浴スペースとの往復は、凝り固まった自律神経を優しく解きほぐす。一度この浮遊感を味わうと、一般的な湯船ではどこか物足りなさを感じてしまうほどだ。