大衆文化における両者の描かれ方は、時代の価値観とともにダイナミックに変容を遂げてきた。三谷幸喜脚本の大河ドラマ『新選組!』(2004年)では、若き日の近藤勇や土方歳三、坂本龍馬が江戸の町で邂逅し、志を語り合う瑞々しい青春群像劇として提示された。江口洋介が演じた自由闊達な龍馬と、香取慎吾が演じた実直な近藤の絆は、長年培われた「敵味方」の図式を鮮やかに塗り替えた。
対照的に、福山雅治主演の大河ドラマ『龍馬伝』(2010年)では、新選組は圧倒的な暴力を振るう「体制側の暗殺集団」として冷酷に描かれ、近代合理主義を標榜する龍馬とのコントラストを強調した。時代劇という表現枠組みの中で、新選組と龍馬は常に、日本人が抱く「伝統への殉教」と「未来への革新」という二つの相反する情動を映し出す鏡として機能し続けている。