カルチャーアナリストやZ世代文化の専門家は、このブームの深層をこう分析する。「年配層にとっての平成レトロは『昔懐かしい思い出』だが、Z世代にとっては『体験したことのない新しいトレンド』だ」。親世代が青春を過ごした時代のアイテムやカルチャーは、彼らにとって既成概念に縛られない未知のカルチャー体験なのである。
また、予測不能で激変する現代社会において、平成初期が持っていたどこか楽観的でエネルギーに満ちた社会のムードそのものが、若者の心理的安全性や憧れの対象になっている点も見逃せない。過去のカルチャーを掘り起こし、独自のセンスでミックスしてSNSで発信する。彼らにとって過去の遺産は、自己表現のための「新しい素材」に過ぎないのだ。