2003年3月25日の夕刻、東京都目黒区にある自宅マンションの寝室で、古尾谷雅人さんが首を吊った状態で倒れているのを妻で元女優の鹿沼えりさんが発見しました。救急隊が駆けつけたもののすでに心肺停止状態であり、享年45歳という早すぎる死が確認されました。争った形跡や外部からの侵入痕跡はなく、警視庁目黒警察署による現場検証の結果、縊死による自殺と断定されました。
当時、現場には家族や仕事関係者に宛てた複数の書き置き(遺書)が遺されていました。そこには、自らの不甲斐なさを詫びる言葉とともに、金銭的な苦悩や役者としての限界を感じていた苦渋の心情が綴られていたと報じられています。突如として伝えられた訃報に、親交の深かった俳優仲間や映画監督らは一様に言葉を失い、芸能界全体に深い悲嘆が広がりました。
公の場では常に威厳とユーモアを漂わせていた名バイプレイヤーが、密室の中で独り抱え込んでいた絶望は、世間が想像していた以上に根深く、過酷な現実が張り詰めていました。