Live the Life You Love真意|ボブ・マーリー名言の重要ポイントを解説します。役立つ情報が詰まっています。

この名フレーズはボブ・マーリーのオリジナル発想として流通していますが、音楽史の原典を遡ると1950年代のアメリカ・シカゴブルースに到達します。チェス・レコードの偉大なソングライターであるウィリー・ディクスン(Willie Dixon)が作詞作曲を手掛け、ブルースの巨人マディ・ウォーターズ(Muddy Waters)が1956年に吹き込んだ楽曲『Live the Life I Love (Love the Life I Live)』が直接の元ネタです。

当時、黒人差別が根強く残るアメリカ南部から北部へ渡ったブルースマンたちが歌った「他人の批判など気にせず、自分の選んだ生き方を誇る」という泥臭い矜持を、ボブ・マーリーは自身の精神的支柱であったラスタファリ運動(Rastafari)と結びつけました。ラスタファリ運動は、西洋の物質主義的抑圧社会を「バビロン」と呼び、精神的隷属からの脱却と自律を標榜する思想的潮流です。

1976年12月、ジャマイカの政治的混乱の渦中でボブ・マーリーは自宅で銃撃を受け、胸と腕に銃弾を浴びながらも、わずか2日後の平和コンサート『スマイル・ジャマイカ』のステージに立ちました。音楽関係者の取材記録によると、命を狙われてなおステージに上がる理由を問われたボブは、「この世界を悪くしようとしている連中は一日も休まない。それなのに、どうして僕が休めるというんだ?」と答えたと記録されています。彼にとって「愛する人生を生きる」とは、命が脅かされる極限状態にあっても自身の信念と使命を貫き通す、凄絶な実存的覚悟そのものでした。