家族が逮捕された際、あるいは自らが身柄拘束を受けた際、最初の数時間でどのような行動を取るかがその後の運命を大きく左右します。逮捕直後から外部と自由に連絡を取る権利は剥奪されますが、唯一無条件で認められているのが「弁護士を呼ぶ権利」です。
資力がない場合でも、各都道府県の弁護士会が派遣する「当番弁護士」を呼べば、初回に限り無料で留置所まで面会(接見)に来てもらえます。本人が警察官に対して「当番弁護士を呼んでください」と申し出るだけで手続きは成立します。外部の家族からも、各地域の弁護士会に電話をかけて要請すれば、最短で当日中に派遣されます。
当番弁護士を即座に呼ぶべき最大の理由は、警察による「自白調書」の作成を阻止することにあります。外部から遮断された留置場の環境下で連日厳しい取調べを受けると、被疑者は精神的に追い詰められ、「これを認めれば早く帰れる」という虚偽の誘惑にかられ、意に沿わない供述調書にサインしてしまうケースが後を絶ちません。一度署名・押印した調書を裁判で覆すことは極めて困難です。弁護士から「黙秘権の正しい使い方」や「納得のいかない調書には決してサインしない心構え」を直接指南してもらうことが、身を守る唯一の盾となります。