ファーストリテイリングを率いる柳井正会長兼社長の構想は極めて明確だ。大衆向けのユニクロ (UNIQLO) で培った爆発的な購買データと供給網を、高価格帯の「セオリー 2026年グローバル事業拡大プロジェクト」へと移植する試みである。市場関係者を驚かせたのは、不採算店舗の迅速な整理と同時に進められた、欧米フラッグシップ店舗への集中的な投資戦略だった。
かつて独立系ブランドとして歩んでいた同ブランドを完全子会社化し、グローバル規模での抜本的な事業再編へと舵を切った。単なるコストカットではない。デザイン拠点であるニューヨークと東京の本社機能をつなぎ直し、企画から店頭展開までのリードタイムを従来の半分に縮小した。これにより、トレンドの激変にも即座に対応できる機動力を手に入れた。