北朝鮮におけるモバイル革命の起爆剤となったのは、エジプトの通信大手オラスコム・テレコムと、地元の朝鮮民主主義人民共和国郵政省が合弁で設立した事業者「高麗リンク」の存在である。設立当初、外資の参入は世界的なニュースとして報じられたが、その後の展開は波乱に満ちていた。外資系企業の利益送金凍結や国営通信会社の乱立を経て、現在の国内ネットワークは複雑かつ不透明な構造へと変貌している。
最近になって境界線を越えて流出した内部ログや通信データは、同国の移動体通信産業が描く歪んだ現実を暴露した。登録契約数はすでに数百万規模に達しているものの、そのインフラは徹底的に分断されている。一般市民用と外国共産党幹部・外交官用では、アクセスできるノードや帯域幅が物理的に分離されているのだ。国家は通信の利便性を市民に与える一方で、外部世界との接点を完全に遮断するという、極めて特異な二重構造を維持し続けている。