一度包丁を入れた梨は、ポリフェノールオキシダーゼという酸化酵素が空気中の酸素と反応し、数分から数十分で無惨な褐色へと変色してしまいます。家族に残したひとかけらやお弁当のデザートとして持たせたい時、どのコーティングが最も味を落とさず色鮮やかさを維持できるのでしょうか。
梨の変色防止方法として広く知られる4つの手法(塩水、砂糖水、レモン水、ハチミツ水)について、編集部で12時間経過後の食味と外観をブラインドテスト検証しました。
- 食塩水(濃度0.5%程度:水200mlに塩ひとつまみ):変色防止効果は最強クラス。しかし、わずかな塩味が梨本来の上品な和の甘みをマスキングしてしまう点が好みの分かれ道です。
- 砂糖水(濃度5%程度:水200mlに砂糖大さじ1):変色をしっかり防ぎつつ、梨の糖度と自然に調和。果肉のパサつきも防ぐため、最も果実の美味しさを損なわない優等生な結果に。
- レモン水(水200mlにレモン汁小さじ1):酸化防止効果は高いものの、和梨の繊細な風味にレモンの酸味が勝ちすぎてしまい、品種特有の香りが飛んでしまう難点がありました。
- ハチミツ水(水200mlにハチミツ大さじ1):ハチミツに含まれるペプチドが強力に酵素をブロック。しっとりしたツヤが持続し、高級感のある仕上がりになります(※1歳未満の乳児には不可)。
切った梨の保存テクニックの実践値としては、砂糖水に2〜3分くぐらせた後、水気を軽く拭き取って一切れずつラップでピッチリ空気を抜いて密着包装し、保存容器に入れてチルド室または野菜室へ入れるのがベストです。この工程を踏めば、翌日のお弁当や24時間後の食卓でも切りたての透き通るような白さとみずみずしさが完全に蘇ります。