事件が解決した後の定番の流れ――Bar「さくら」のカウンターで、ママ(眞野あずさ)の注ぐ酒を口にする安浦の横顔。あるいは、個性豊かな同僚たちが集う山手中央署の騒がしいフロア。
あの空間には、明確なセーフティネットが存在していた。仕事で傷つき、割り切れない思いを抱えた人間が、そのままの姿で帰ってこられる居場所。リモートワークとデジタルコミュニケーションが標準化し、職場の雑談や仕事終わりの一杯が激減した今だからこそ、あの緩やかな連帯感がたまらなく愛おしい。孤独が社会問題化する現代において、ドラマが描いた人間関係の温度は、もはやファンタジーに近いほどの郷愁を放っている。