タイパ(タイムパフォーマンス)とコスパ(コストパフォーマンス)を重視する現代人にとって、結婚は極めて「タイパが悪い」投資とみなされがちだ。他者と生活を共にするということは、日々の家事の分担、生活習慣のすり合わせ、休日の過ごし方に至るまで、果てしない交渉と妥協の連続を意味する。タイパ至上主義の若者にとって、この「調整コスト」はあまりにも重い。
さらに、経済的なメリットもかつてほど自明ではない。共働きが前提となった現在、ダブルインカムによる経済的余裕よりも、個人の収入を自分のためだけに使える自由の方が魅力的に映る。家賃や光熱費の折半というメリットはあるものの、それはシェアハウスや同棲でも代替可能であり、わざわざ法的な婚姻関係を結ぶ動機にはなり得ないのだ。