林修氏の知性あふれる語り口の背景には、華々しい学歴と同時に、壮絶な挫折と自己分析の歴史が存在します。愛知県名古屋市出身の林氏は、名門・東海中学校・高等学校を経て東京大学法学部へ進学。卒業後の1989年にエリートコースの象徴であった「日本長期信用銀行(長銀)」へ入社を果たしました。
しかし、「この銀行は早晩潰れる」と直感した林氏は、わずか5か月で長銀を退職。その後は起業の失敗や株取引、競馬などのギャンブルによる損失が重なり、一時は約1800万円の借金を抱える極貧生活に転落します。家庭教師や塾講師のアルバイトで食いつなぐなか、勝てる分野を徹底的に冷徹分析した結果、行き着いたのが「予備校の現代文講師」という天職でした。
私生活では、2000年に12歳年下の産婦人科医である林裕子氏と結婚。多忙を極める医師の妻と、全国を飛び回る予備校講師・タレントの林氏という組み合わせでありながら、双方がプロフェッショナルとして独立した関係を築いています。
公の場や対談で林氏が語る夫婦関係は、感情的な依存を排した合理的な信頼関係そのものです。家庭内でも相手の専門領域に干渉せず、互いの仕事とパーソナルスペースを尊重し合う姿勢は、共働き世帯の理想的なパートナーシップ像としてメディアでも度々注目を集めています。