賃貸契約を捨てる大人の新常識 ホテル暮らしの費用と生活の罠

賃貸契約を捨てる大人の新常識 ホテル暮らしの費用と生活の罠

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この生活様式を支えているのが、不動産テック (PropTech)の急成長と、ホスピタリティ産業側の構造改革だ。インバウンドの波動や観光需要の浮沈に悩まされてきた宿泊業界にとって、中長期滞在の居住者は、年間を通じて稼働率を安定させる極めて貴重な収益基盤となっている。

その象徴となったのが、日本を代表する名門ホテルが手掛けた帝国ホテル サービスアパートメント事業である。帝国ホテル (Imperial Hotel Tokyo)が本館客室を改装し、専属アテンダントによるランドリーやホテルシェフのルームサービス付きで提供したこの取り組みは、発売と同時に即完売を記録し、ラグジュアリー居住の新たな地平を切り拓いた。

一方、若年層や単身ビジネスパーソンを牽引するのは、アプリ1つで部屋を切り替えられるプラットフォームだ。全国の提携ホテルを月額定額で住み替えられる「goodroom ホテルパス」、国内外の拠点へコインを使って滞在するHafH (株式会社KabuK Style)、さらには東急グループの鉄道・リゾートネットワークを活かしたTsugiTsugi (東急株式会社)など、多様な選択肢が競い合っている。敷金も連帯保証人も印鑑証明も不要。スマホのタップ数回で「今夜の我が家」が確定する手軽さは、旧態依然とした不動産賃貸市場に対する鮮烈なカウンターカルチャーとなっている。

橋本 菜々子
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橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。