街中のタワーパーキングやマンションの機械式立体駐車場で最も頻繁に目にするのが、「高さ制限1550mm」という表示です。なぜ中途半端にも思えるこの数値が業界のデファクトスタンダードとして定着しているのでしょうか。
理由は、日本の建築基準や機械式駐車装置の歴史にあります。立体駐車場が急速に普及した1980年代から1990年代にかけて、国内の主力乗用車はクラウンやカローラなどの5ナンバーサイズセダンでした。当時のセダンの全高はおおむね1400mmから1500mm程度であり、1550mmあれば大半の乗用車を収容できたのです。
限られた敷地内にできるだけ多くのパレット(車両を載せる台)を詰め込むため、一段ごとの高さを1550mm前後に抑える設計が標準化されました。現在も都市部を中心にこの旧規格の立体駐車場が数多く稼働しており、背の高い現代のクルマとの間で大きなギャップを生み出しています。