指導者としての激務から離れた栗山が帰る場所は、北海道夕張郡栗山町にある「栗の樹ファーム」だ。自らの手で芝を刈り、木を植え、少年たちが自由に白球を追える天然芝の球場を造り上げたこの場所こそ、彼の魂の拠り所である。
ログハウスの書斎には、古典から現代文学、哲学書まで数千冊の本が所狭しと並ぶ。誰かと暮らす賑やかさの代わりに、彼は古今の先人たちとの対話を選んだ。物質的な贅沢には一切目もくれず、愛用の道具を手入れし、土と戯れる。孤独を恐れるどころか、孤独を深く愛し、それを自らの精神的エネルギーへと昇華させる暮らしがここにある。