事業主に対してハラスメント防止措置を義務付けた「パワーハラスメント防止法」の施行以降、企業側のポーズとしての対策は進んだ。厚生労働省が実施する実態調査でも、社内相談窓口を設置する企業の割合は高水準を維持している。しかし、人事労務管理業界の専門家からは「窓口が企業防衛を優先し、被害者の駆け込み寺として機能していない」という冷ややかな指摘も根強い。
加害者が役員や高業績を上げる幹部である場合、社内の自浄作用に期待するのは困難だ。制度という外枠は整ったものの、実効性を伴う運用には依然として大きな隔たりが残されている。