「全部消えているわけじゃないのに、なぜ不合格になるのか」――車検の現場で最も多く寄せられる疑問の一つです。結論から述べると、ハイマウントストップランプに内蔵されているLEDが1粒でも球切れを起こしていれば車検落ち(不適合)となります。 法律上の根拠となっているのが、道路運送車両の保安基準 第39条の2(補助制動灯)です。この条文および関連する審査事務規程において、灯火器は「光度、配光、取付位置などが均一かつ適正に機能していること」が求められています。白熱電球時代は「点くか消えるか」の二者択一でしたが、複数のLED素子で構成された現代のユニットは、全体で一つの「型式認定された灯火装置」として認可を受けています。 一部の素子が消えている状態は、法律上「灯火の損傷」または「構造上の不備」と判定されます。現場の自動車検査員は次のように指摘します。
「複数あるLEDチップの1つでも消灯していると、設計通りの視認性や配光特性を満たしていないとみなされます。以前は検査官の目視裁量で『全体の8割以上点灯していれば合格』などと噂された時代もありましたが、現在の審査基準は極めて厳格化されており、民間指定工場でも指定取り消しリスクを避けるため、1粒欠けの時点で確実に不合格判定を下します」(関東近郊の民間指定整備工場・検査主任者)
さらに、球切れだけでなく「ブレーキを踏むとチラチラと点滅する」「照度が著しく暗い」といった状態も同様にNGです。LED基板内部のハンダクラックやコンデンサの寿命による不規則な点滅は、後続車を惑わす危険な灯火とみなされ、即座に是正を命じられます。