健康や美容のために「毎日スプーン1杯のごまを料理にかけている」という人は少なくありません。しかし、ここに大きな落とし穴が存在します。いりごまを粒のまま丸飲み・咀嚼した場合、すりごまに比べて栄養の吸収率が著しく低下するという事実です。
植物学的に、ごまの種皮は極めて強固なセルロース(不溶性食物繊維)の二重構造で守られています。人間の消化器官にはこの強固な植物細胞壁を分解する酵素が存在しないため、歯で完全にすり潰されない限り、内部に詰まったセサミンや良質な脂質、ミネラルは一切吸収されず、そのまま便として体外へ排出されてしまいます。
都内の管理栄養士や調理科学の専門家も「いりごまのプチプチとした食感は料理のアクセントとして優れているものの、栄養補給を目的とするなら『すりごま』や『練りごま』を選ぶのが鉄則である」と警鐘を鳴らします。市販のすりごまを活用するか、食べる直前にミルやすり鉢で軽くするひと手間こそが、ごまの栄養を効率よく摂る方法の第一歩です。