1990年4月、金曜夜8時の激戦区に投入された本作の製作を手掛けたのは、映画界の名門・東宝と日本テレビ放送網の強力タッグだった。当時のテレビ画面を席巻していたのは、荒削りな熱量で押す昭和スタイルのポリスアクション。しかし、本作が提示したのは徹底して都会的で洗練された映像美だった。
フィルム撮影特有の陰影豊かなトーン。ジャズやフュージョンを基調としたハイセンスな劇伴。ロケーションも雑多な下町ではなく、臨海副都心や青山といった当時の最先端スポットが選ばれた。暴力や銃撃戦だけに頼らず、粋な会話劇とサスペンスの妙味で魅せる構成は、まさに新時代のエンターテインメントの夜明けを告げる狼煙となった。