ロンドンのメイフェア地区に位置するサヴィル・ロウ。紳士服の聖地として数々の歴史を刻んできたこの街の仕立て文化は、いま新たな黄金期を迎えている。
格式高いサヴィル・ロウ伝統の硬質な構築的シルエットは、現代のライフスタイルに合わせてしなやかに進化を遂げた。かつてジョルジオ・アルマーニがアンコンストラクテッド(無構築)ジャケットで世界のメンズファッションに革命を起こしたように、現代のビスポーク・テーラリングもまた、伝統的な仕立ての強固さと軽快な着心地のバランスを追求している。芯地を極限まで削ぎ落としながらも、裁断とアイロンワークだけで立体感を構築する技術は、熟練の職人と上質な服地が出会って初めて成立する芸術と言える。