嵐『Movin' On』色褪せぬ名曲の真実|演出と歌詞の深層の全体像を詳しく解説してご紹介します。

楽曲の骨格を成すクレジットは、作詞がみうらともかず氏と小川貴史氏、作曲がDr Hardcastle、Dice Taylor、youwhich氏。そしてRap詞を手掛けたのが櫻井翔氏です。この布陣によって生み出されたリリックには、前進し続けるグループの覚悟が克明に刻み込まれています。

歌い出しの「Cause I'm movin' on」から始まる英語フレーズは、過去の栄光に安住せず、更なる未踏の地へ進む宣誓そのものです。「散りばめて来た無数の輝き 永遠に瞬くように」という一節は、10年間で築き上げたファンとの絆を想起させつつ、「次へ次へと 強く連なって 確かになった一歩」と、足元を見据えて力強く歩みを進める意志を示しています。

特筆すべきは、櫻井翔氏によるサクラップの研ぎ澄まされたリリシズムです。「この波は途切れない そう 何処までも」「舞い上がるなら高く 信じたならその先 まだ間に合うから Just Now We Go!!」というリリックは、当時エンタメ界のトップを走りながらも、決して現状に慢心していなかった嵐のリアルな渇望感を代弁しています。

ボーカルの歌割り設計も極めて精緻です。Aメロでは二宮和也氏と相葉雅紀氏の透明感と哀愁を帯びたトーンがリスナーを引き込み、Bメロで松本潤氏の低音の響きと大野智氏の支えが加わることで楽曲の推進力を倍増させます。そしてサビでは5人の重厚なユニゾンが炸裂し、要所要所で大野氏の高音フェイクが突き抜ける。それぞれの声質が持つ個性を数学的に配分したかのような構成が、リスナーの感情を否応なく高揚させます。