楽曲を支えるリリックの構成にも、聴き手を引き込む心理的フックが緻密に仕掛けられています。作詞を手がけたASATO氏によるテキストは、少女漫画のような甘酸っぱさと、現実的な男の子の不器用なモノローグが見事なバランスで同居しています。
特に印象的なのが、サビ直前に配置された「言い出せなくても構わない なんて恋するチカラに敵わない」というフレーズです。強がりや諦めの感情を抱えつつも、溢れ出す好意を抑えきれずに前へと踏み出してしまう。この心理的葛藤の描写が、リスナーの共感を強く呼び起こします。
また、韻を踏みながら心地よく疾走するメロディラインに対し、言葉の詰め込み方が絶妙に調整されています。櫻井翔のサクラップこそ含まれていないものの、ボーカルの掛け合いとリズミカルな譜割りによって、まるで登場人物の鼓動が高鳴っていくようなグルーヴが生み出されているのです。恋が始まる瞬間の不確かさと爆発力を同時に封じじ込めた歌詞世界が、メンバーの生き生きとした表情と重なり合うことで、唯一無二の輝きを放ちます。