SNSや知恵袋などのコミュニティでは、一部の飼い主から「キャバプーを飼って後悔した」という切実な告白が投稿されることがあります。現場の取材を重ねると、その背景にはペットショップ側の説明不足と、飼い主側の事前リサーチ不足による「3つの構造的落とし穴」が浮き彫りになります。
第1の理由:抜け毛ゼロ神話の崩壊と日々の被毛ケア負担
「トイプードル系だから毛が抜けない」と信じて迎えた結果、キャバリアのダブルコート(下毛)の性質を色濃く受け継ぎ、日々の抜け毛に悩まされるケースです。さらに厄介なのが毛質です。キャバリアのシルキーな直毛とプードルのカール毛が混ざり合うことで、極めて毛玉ができやすい「フェルト状の被毛」になりがちです。毎日のスリッカーブラシとコームによるコーミングを怠ると、皮膚が引き攣れて炎症を起こし、トリミング時に全身丸刈りを余儀なくされる事態に陥ります。
第2の理由:年間15万円を超えるトリミング費用と経済的負担
キャバプーの被毛は伸び続けるため、3〜5週間に1回の定期トリミングが必須です。体重が6kg〜8kgの中型寄りに成長した場合、サロンの料金区分が「中型犬料金」や「毛玉割増料金」に指定されることが多く、1回あたりの施術代が10,000円〜14,000円前後に達します。フード代や医療費に加え、年間10万円〜15万円以上のトリミング維持費が生涯にわたって発生する経済的現実は、飼育前の大きな見落としポイントです。
第3の理由:運動要求量の高さと遺伝的疾患のリスク
「室内で軽く遊ばせれば十分」と考えていると、深刻な運動不足に陥ります。キャバリアは元来スパニエル系の狩猟本能を持ち、プードルも極めてエネルギッシュです。成犬時は1日計40分〜60分の散歩が必須となります。また、獣医学的にキャバリアは「僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)」の発症率が極めて高く、プードルは「膝蓋骨脱臼(パテラ)」を起こしやすい犬種です。シニア期に向けた高額な継続治療費や定期検診の覚悟が求められます。