「なぜ日本の女性政治家は少ないのか」という疑問に対し、現場の取材で見えてくるのは個人の能力差ではなく、極めて強固な構造的障壁です。その最大の要因が、日本の伝統的な選挙基盤である「地盤(後援会組織)・看板(知名度)・鞄(資金力)」の3要素が、世襲を含む男性政治家に集中している点にあります。
長年培われた政党の派閥構造や地方組織において、公認候補者の選考権を握るのはベテラン男性議員が中心です。新規参入を目指す女性候補は、公募試験を通過しても勝率の低い激戦区へ回されるケースが多く、強固な現職の牙城を崩すのは容易ではありません。
さらに深刻なのが、政治活動特有の労働環境です。深夜に及ぶ会合や週末の地元回り、冠婚葬祭への出席が前提とされる活動スタイルは、無償ケア労働の負担が女性に偏る日本の社会構造と根本的に衝突します。加えて、有権者や支援者からのセクシャルハラスメントや威圧的な態度、いわゆる「票ハラスメント」に直面し、出馬そのものを断念する女性が後を絶ちません。