多くのドライバーが最も致命的な誤解をしているのが、「ソナーが付いているから壁の手前で勝手に止まってくれる」という思い込みです。従来のクリアランスソナーは、あくまで音とメーター表示で危険を知らせる「パッシブな警告装置」に留まります。ブレーキペダルを踏む動作はドライバー自身が行わなければ、そのまま障害物に激突します。
衝突回避まで車側が介入するのは、トヨタが2010年代半ばから実用化を進めたインテリジェントクリアランスソナー(ICS)、およびその発展系であるパーキングサポートブレーキ(Pksb)です。
両者の構造的な違いは、エンジン制御ユニット(ECU)や油圧ブレーキ制御系とのリンク有無にあります。従来のソナーが警告音を発するだけだったのに対し、ICSやパーキングサポートブレーキは、超音波センサーが壁やガラスなどの障害物を検知した状態でドライバーがアクセルを強く踏み込んだ際、踏み間違い衝突防止機能としてエンジン出力を強制抑制し、さらに衝突の危険が高まると自動的に強力なブレーキを作動させて衝突被害を軽減します。
中古車を購入する際やレンタカーを運転する際は、「ソナーのブザーが付いていること」と「ブレーキ介入機能が備わっていること」を明確に区別して確認しなければ、重大事故につながるリスクを孕んでいます。