BABYMETALのマーチャンダイズ(マーチ)が世界中でこれほどまでに熱狂的に受け入れられている理由は何か。その答えは、プロデューサーKOBAMETALの偏執的なまでのメタル愛と、アミューズのデザインチームが創り出した「オマージュの美学」にある。
ブルータルなロゴと異教的デザインの衝撃
通常のアイドルグッズといえば、メンバーの顔写真が印刷されたうちわやカラフルなペンライトが主流だ。しかし、BABYMETALは真逆の道を歩んだ。彼女たちが提示したのは、メタリカ、アイアン・メイデン、スレイヤー、スリップノット、カンニバル・コープスといった伝説的ヘヴィメタルバンドへのリスペクトに満ちたグラフィックだった。
ドクロ、トゲだらけの読解不能なフォントロゴ、五芒星を彷彿とさせるキツネの紋章。一見すると正統派のデスメタルTシャツにしか見えない。しかし、よく観察すると中心には「FOX GOD(キツネ様)」の言葉や、SU-METAL、MOAMETAL、MOMOMETALを模した繊細なモチーフが潜んでいる。このギャップが、コアなメタルヘッドとポップスファンの双方をトリコにした。
日常着としてのストリートファッションへの昇華
アニメ調のイラストを排し、黒を基調とした洗練されたストリートアパレルへと昇華させた点も大きい。海外のロックフェス(グラストンベリーやダウンロード・フェスティバル)では、バンドのファンだけでなく、著名なストリートウェアコレクターがBABYMETALのTシャツを着用する姿が目撃される。日常のコーディネートに違和感なく溶け込むダーク・ファッション。これこそが、単なる「イベント記念品」を超えた長寿命なグッズ文化を築いた要因だ。