再審判決において極めて異例だったのは、裁判所が警察および検察による「証拠の捏造」を明確に認定した点です。判決では、事件から1年2カ月後に工場のみそタンク内から突如として見つかったとされる「5点の衣類」について、捜査機関によって血痕がつけられ、タンク内に隠されたものであると断定されました。
長期間みそに漬かっていた衣類の血痕に「赤み」が残ることは科学的にあり得ず、長年の実証実験によって変色しないという事実が証明されたことが決定打となりました。裁判所が捏造と認めたのは以下の3点です。
- 5点の衣類:発見直前に捜査機関関係者によって血痕が付着させられ、タンク内に投入された工作物。
- 衣類の端切れ:袴田さんの実家から見つかったとされたズボンの端切れも、捜査側が持ち込んで作為的に発見させた証拠。
- 検察官調書:自白を強制するために作成された供述調書は、肉体的・精神的苦痛を与えて虚偽の自白を誘発させたもの。
国家機関が一般市民を犯人に仕立て上げるため、組織的に証拠を作り上げたという事実は、日本の司法史上かつてない衝撃を与えました。