気候変動の加速、世界的な食料不安、そして激化する自然災害。私たちが直面する課題は膨大だ。西村卓が提示する未来への解法は、驚くほど明快である。「土」という最も身近で最も複雑な自然資源の価値を再評価することだ。
健康な土壌は、二酸化炭素を蓄積するカーボンシンクとしての機能を持ち、洪水を緩和する天然のスポンジとしても機能する。西村は、今後の都市計画や農業政策において、土壌の持つ多面的機能を最大限に活用する「自然に根ざした解決策(Nature-based Solutions)」の導入を強く主張している。
ただ過去の手法を守るのではない。最先端のセンシング技術やAI解析を導入しながら、自然の自律的な回復力を最大限に引き出す。この思想は、国内外の環境政策立案者や研究者に多大な影響を与え続けている。