白塗り・和装・かつらという強烈なビジュアルがトレードマークのコウメ太夫ですが、化粧を落とした素顔は非常に整ったイケメンであることはファンの間で広く知られています。彫りの深い目元と引き締まった顔立ちを持ち、バラエティ番組の企画でメイクを落とすたびに共演者や視聴者からどよめきが起こるほどです。
その端整な佇まいのルーツは、彼の本名である赤井貴(あかい たかし)としての華やかな前歴にあります。芸能界入りの原点は、大衆演劇の最高峰である「梅沢武生劇団(現・梅沢富美男劇団)」への入門でした。名門劇団で女形としての所作や日本舞踊の基礎、立ち居振る舞いを徹底的に叩き込まれた本格派の舞台人だったのです。
その後、お笑い芸人へと転身しコンビ活動などを経て生み出されたのが、女形時代の経験をセルフパロディ化した狂気のキャラクター「小梅太夫(後にコウメ太夫へ改名)」でした。伝統芸能に裏打ちされた所作の美しさと、そこから放たれる不条理な絶叫のギャップこそが、唯一無二の芸の原動力となっています。