口内炎の中でも特に厄介を極めるのが、「舌の裏」や「舌の縁(側面)」にできた病変です。話したり唾液を飲み込んだりするたびに舌が動き、歯列と擦れるため、通常の頬の内側よりも痛みが激しく治りにくい特徴があります。さらに、唾液腺の開口部が近いため分泌液が多く、市販のパッチを貼ろうとしても数分で剥がれ落ちてしまうトラブルが後を絶ちません。
舌の裏にできた口内炎に対しては、道具の使い方にちょっとした工夫が求められます。パッチ剤を用いる場合は、貼付前に患部をティッシュで押さえ、唾液を完全に拭き取ることが絶対条件です。貼った後は指先で最低でも5〜10秒ほど強めに圧着し、薬剤面がゼリー状に変化して吸着するまで口を閉じないようにキープします。
それでもどうしてもパッチが剥がれてしまう難所には、軟膏の「置き塗り」が威力を発揮します。綿棒の先端に軟膏を米粒大ほど取り、患部の上へ擦り込まずに「ポンと乗せる」ように配置してください。市販のステロイド軟膏は水分を含むと固まるアクアキープ基剤を採用しているものが多く、唾液と触れることで徐々に強固な保護膜へと変化していきます。
また、食事すら喉を通らないほど舌の裏の痛みがひどい場合は、無理に自力で抱え込まず、近隣の歯科医院へ駆け込むのが最も賢明です。歯科医院で行われる炭酸ガスレーザー治療は、患部に直接触れることなくわずか数秒〜数分の照射で潰瘍表面を凝固させ、痛みの神経受容体をブロックします。麻酔なしで受けられるケースが多く、照射直後から「水がしみなくなった」と驚く患者が多い治療法です。