日本の時計が午前を指すころ、通勤ラッシュの地下鉄のなかでスマートフォンを食い入るように見つめるビジネスパーソンたちの画面には、背番号28が映し出されている。もはや単なる「海の向こうのニュース」ではない。彼の1リバウンド、1ブロックが、東京の朝の体感温度を確かに変えている。
かつてのように「日本人として初の」という枕詞に頼るメディアの熱狂は一段落した。いま日本のファンが注視しているのは、彼が名門の主力として優勝戦線でいかに生き残るかという、極めて純粋でシビアな競技的興味だ。富山の体育館から始まったストーリーは、いまや海を越え、何万人もの少年少女にとっての「リアルな目標」として日常に溶け込んでいる。