世界中の医学論文が集積されるPubMedを検索すると、空気の流れと病原体拡散に関する実験データが連日報告されている。スーパーコンピュータを用いた気流シミュレーションによれば、無風状態の密閉空間では、人が発した微粒子が数十分にわたって床に落ちず、天井付近や部屋の隅に高濃度で滞留し続ける様子が可視化されている。
これらの科学的知見が導き出した結論は極めて明快だ。どれほど高性能なマスクをしていても、空気の入れ替えがなければリスクは時間とともに蓄積する。CO2モニターを活用して室内の換気状態を可視化し、外気導入やHEPAフィルター付き空気清浄機を併用するプロトコルこそが、目に見えない滞留エアロゾルを無力化する最も確実な手法である。