毛利探偵事務所の隣にある「米花いろは寿司」の流れ板前、脇田兼則。出っ歯に左目の眼帯という、どこか滑稽で親しみやすいキャラクター造形こそが、組織No.2が仕掛けた最大の偽装だった。
彼がラムである決定的な証拠として描かれたのは、かつてFBI捜査官アンドレ・キャメルを罠に嵌めた老人の変装を解く回想シーンだ。羽田浩司殺人事件から続く因縁、現場に残されたダイイングメッセージの真の意味、そして組織内での絶対的な権力構造。脇田は江戸川コナンの身近に潜伏し、工藤新一の生存情報を探るためにあえて最もリスクの高い場所へと足を踏み入れていた。
公式の描写によって裏付けられたその冷徹な眼光は、普段の軽妙な語り口とのギャップによって一層の不気味さを際立たせる。観察眼、推理力、そして即座に相手の急所を見抜く情報収集能力。日常の中に潜んでいた悪意が白日の下に晒された瞬間だった。