静岡県裾野市という富士の麓の地が選ばれたのには、歴史的背景だけでなく地理的・インフラ的な必然性があった。かつてのモノづくりの聖地に、次世代のクリーンエネルギー基盤を構築するという挑戦だ。街のエネルギー主軸として据えられているのは、CO2を排出しない水素である。
本格的な水素エネルギー社会の実証に向け、街には最新型の水素ステーションや燃料電池(FC)発電設備が導入されている。近隣施設から供給されるグリーン水素を活用し、家庭用電力やモビリティの動力を一元管理。再生可能エネルギーとの組み合わせによる電力の需給調整(デマンドレスポンス)もAIが自動で行い、環境負荷ゼロとエネルギーセキュリティの両立を極限まで突き詰めている。