治療法が劇的に進化したからこそ、現在最もフォーカスされているのは「いかに早く拾い上げるか」という診断プロセスの革新だ。心エコー図検査によるスクリーニングの重要性は以前から叫ばれていたが、熟練した検査技師や専門医の眼が必要とされる点がハードルとなっていた。
現在、国内の大学病院や先端医療機関で実証導入が進むのは、心電図の微細な波形変化から肺動脈圧の上昇リスクを瞬時に推測するAIアルゴリズムだ。健診センターで行われる通常の12誘導心電図から「隠れた高リスク患者」を高精度に割り出し、専門施設への早期紹介を促す仕組みが整いつつある。さらに、日常のスマートウォッチが記録する血中酸素濃度(SpO2)の異常変動ログが、診断のきっかけとなるケースも登場している。医療テクノロジーの民主化が、診断の遅れという長年の課題を打ち崩そうとしている。