作品の顔として君臨し続けた秋本麗子の登場は、初期の暴走気味な作風に決定的な変化をもたらした。日仏のハーフであり、神戸の財閥令嬢として破格の資産を持つ彼女だが、初登場時はワイルドで型破りな行動が目立つキャラクターだった。警察官でありながらミニスカート風の制服を身に着け、時には豪快なドライビングテクニックで街を駆け抜けた彼女の造形は、当時の読者に強烈なインパクトを与えた。
物語が進むにつれて、彼女は知的で思慮深く、破天荒な両津勘吉を誰よりも理解し包み込む大人の女性へと脱皮していく。破天荒なギャグ漫画の世界観において、彼女が持つ洗練された美しさと常識人としての視点は、物語のバランスを維持する絶妙な羅針盤として機能していたのだ。