40年間続いた長寿作の最終回(第1960話)は、ジャンプ本誌と単行本200巻が同時発売されるという出版史上初の試みの中で描かれました。ここで秋本氏が仕掛けたのが、「雑誌掲載版と単行本版でオチの展開が異なる」という前代未聞のギミックです。
物語の発端は共通しています。葛飾署の面々が「こち亀連載40周年・コミックス200巻記念」を祝う中、両津勘吉が「実は今日で連載が終わる」と告げるメタフィクション全開の導入から始まります。
その後、両さんは「こち亀復活記念 超豪華40人キャラ懸賞」の当選者を発表していく展開へ進みますが、ここから結末が分岐します。
・少年ジャンプ掲載版:懸賞の当選者発表が淡々と進む中、両さんが最後の最後で「実は全員ハズレで賞品はワシがもらう!」と悪だくみを企て、激怒した大原部長に銃撃されながら追いかけ回される王道のドタバタ劇で幕を閉じます。
・単行本200巻収録版:登場キャラクターたちが歴代の思い出を振り返り、読者への感謝を丁寧に述べるエモーショナルな演出が追加。しかし最後の最後で両さんの悪巧みが露見し、やはり部長の怒号が響き渡るという、ファン納得の二重構造になっていました。
感動に流されすぎず、ギャグ漫画としての矜持を保ちながら笑顔で走り去っていく両さんの姿は、40年を締めくくるにふさわしい伝説のフィナーレとなりました。