VTuber界の頂点に立っていたキズナアイが突如として大炎上に見舞われた直接の契機は、2019年5月に始動した「キズナアイが4人になる」という複数人化プロジェクトでした。
当初、公式YouTubeチャンネル『A.I.Channel』で公開された動画では、「キズナアイは人工知能(AI)であるため、複数の身体や声を持っても不思議ではない」という世界観のもと、新たなボイスモデル(演者)を担当する2号・3号が次々と登場しました。しかし、運営側が意図した「表現の拡張」とは裏腹に、ファンコミュニティには強い動揺と拒絶反応が広がることになります。
最大の争点となったのは、「オリジナルである初代キズナアイの存在が薄められ、やがて別人にすり替えられてしまうのではないか」という危機感でした。複数人化が進むにつれ、これまでチャンネルを支えてきた初代の出演動画が露骨に減少し、新規の演者による動画が大半を占めるようになったことで、ファンの不安は急速に怒りへと変化していきました。